毒性のないものはない

毒性というか危険有害性のない化学物質はない。SDSに書くときGHSで分類されないものが毒性がないと思われて、取り扱いもそのようにしてしまうこともあるようですが、データがなくてわからないだけなんです。そしてデータがない時にそれを取得することは、国連文書にも規定されてはいません。

そういうわけなので、ピクトグラムがなくても、それは安全の証ではなくて、毒があるかどうかわからないだけなんだ、ということになります。

化学メーカーだとそもそもが作業場や実験室には安全メガネしないと入れない、取り扱う時はグローブして、できれば局排(局所排気装置)に陣取りたい。こういう対策していても、私は実験しなくなったら吹き出物がなくなった。パラケラススの言っているのは観念上のことではなくて目の前の現物の話です。

業種によっては「化学物質」を使っていてもそれと意識して取り扱いしていないところもあるっていえばあるかもしれません。使ってるものを「化学物質」とおもわなければ、それに伴うリスクも意識しないことになります。いわば入口を間違えてしまう、ということでしょうか。

学生の頃に読み合わせした化学同人の安全の本(赤本と青本と呼んでいた)に実験台の上に置いてあったアセトニトリルの入っていたビーカーを入ってきた工事人の方が、水だと思って飲み干して亡くなるという悲惨な事故の記述を思い出しました。

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